為替相場(FXにおけるドル円の行方

1ドル=50円説はアリでしょうか?

市場関係者の中でも、特に親しく家族ぐるみで付き合っているのが、●●バンクのシニアFXアナリストの方。有名経済番組のレギュラーコメンテーターを務める人気者。携帯メールでは絵文字入りのメッセージをやり取りすることもあるという、2人のリラックスした為替談義をお送りする。

 

1ドル50円まで円高が進むという人もいるけれど、どう思いますか??

プロに聞く!ドル円の行方-為替対談-

それはないと思いますね。そもそも災害で経済的にダメージを被ったのに、なぜ円か買われたのか不思議に思った方もいたでしょう。あの時点の「円買い」はリスク回避の結果であって、積極的に円か評価されたものではありません。米国の財政問題、EUもギリシアなどの国債に対する不安がある中で日本が消極的な意味で買われた、ということだと思います。

 

私は1ドル50円説など、本などを売るためのキャッチフレーズ程度にしか受け止めていない。現実昧はないということだよね。

 

そうだと思いますよ。現実を見ると、為替の動きはかなり政治に左右される面が大きいんです。今回も76円25銭の段階で協調介入が入りましたよね。これには効果があったと思います。歴史を振り返ってみると、為替が極端に動くと政治的な介入があり、しばらくすると落ち着くということを繰り返しています。

 

あまり極端なことは心配しなくて良いのでしょうか。

 

そうですね。関連する質問でよく出るのは「ドルが基軸通貨でなくなる日はいつですか?」というものです。確かに、ドルが基軸通貨でなくなる日が来る可能性はありますが、すぐに他の通貨が取って代わるわけではなく、あと10年、20年はかかるでしょうね。

 

そもそも基軸通貨には3つの要素が必要です。@国際的な金融取引における決済通貨に使われていること。実際、原油や金は米ドルで取引されていますよね。A通貨の価値の基準となる基準通貨であること。「1ドル=82円」という具合に、ドルは常に左側に来る通貨で、取引単位です。B外貨準備に使われていること。今、全世界の外貨準備高の6〜7割がドルです。

 

こうした要素を総て満たす通貨は、今のところドルしかありません。一時「ユーロが第二の基軸通貨になる」と言われましたけれど、ギリシア危機によってユーロの構造的な弱さが露呈しました。今のユーロには基軸通貨になるほどの信認はありませんよね。

 

結論からいうと金融アナリストのいうことは、100%当たるというわけではなく、一つの意見としてわれわれFX投資家は参考にするスタンスでいいと思います。

 

個人投資家の過度な悲観

注目度が上がっている中国の人民元は、現時点では通貨そのものが国際的には流通していません。また、SDR(特別引出権)に着目する方もいますが、これはIMF(国際通貨基金)が69年に創設した国際準備資産でバ産を補完するもので、いわゆる基軸通貨の役割を果たしてはいないのです。こう考えていくと、やはりしばらくの間はドルが基軸通貨であると言ってよいと思います。

 

とにかく個人投資家向けのセミナーでも50円説におびえたようになって、「米ドルの終焉」とか大げさに聞いてくる参加者が多いねえ。

 

対円で見て米ドルの価値が下かっているから皆さん、心配になるんじやないでしょうか。ただ、米国が日本と違うのは、景気回復や財政再建のために効く政策を実際にうっているということ。昨年秋に米連邦準備理事会(FRB)は量的緩和第二弾(QE2)をしました。これで大量の了子−を市中に供給したわけですが、最終的に景気が回復すれば金利を上げます。

 

また、米国悲観論の方はよく「米国は財政赤字が大きい」と言います。ただ、日米を比べるとよく分かるんですが、米国は経常赤字で日本は経常黒字。つまり貿易を見ると米国から日本にお金が流れています。一方、米国は資本収支が黒字で日本は資本収支が赤字。つまり投資のお金は日本から米国に流れている。米国の場合、確かに経常赤字ですが、資本収支は黒字になっているのです。